そもそもダイビングを始めたのは、25年前。思い出すのは、ライセンス取得ツアー。中学の時の友人から突然電話をもらって、最初の質問が「パスポートもってるよね」でした。そして、その一週間後、ダイビングライセンス取得ツアーでサイパンにいました。

まずはダイビング講習です。サイパンという青い空と青い海が誘う中、机で講師の話を聞くのはかなりつらかったのを覚えています。そして待望の実技。そのときにはっと気づいたのです、私は残念ながら水泳が得意ではないことを。

いろいろなことをまずはプールでトレーニングしました。そのプール実技で行われたのが立ち泳ぎ。何分だったかは忘れましたが、水を怖がっている私は当然のことながら、少しずつ沈んでいきます。インストラクターの目を盗んで、プールの端っこをもったりして、無事クリアしました。そして、とうとうやってきました海洋実習。しかもここはサイパンです。

初心者というのもおこがましいライセンス講習生が、あの「グロット」へいったのです。初めてでグロットです。なんという幸運でしょうか。外で着ける潜水器具は、プールでつけたときよりも重く大きく感じました。その器具を背負ってエントリーポイントまで、急な石階段を一段ずつ下りていきます。100段を超えたところに平たい石があり、そこから地元の子供たちが海へ飛び込んで遊んでいました。さてエントリーです。重い器具を背負って、10メートルもない崖の上にたつと、生まれてはじめの体験をしました。ひざがガクガクと笑い始めたのです。止まりません。インストラクターの声に導かれ、思い切ってエントリー。背中でカランと音がしたのですが、私としては見事なエントリー。が、実際はインストラクターがあわてて私のそばにやってきました。思い切って足を踏み出せなかったので、途中で崖の壁にタンクがぶつかってしまったようなのです。が、私はそのような心配など知らず、元気に、「OK」サインを出して笑っていました。

グロットでは、このエントリーポイントから、水中にもぐりその向こうにある外海にでていきます。もちろん講習ですから、私たちはここまで。ですが、3つの穴から放たれる光のマジックは、内側から見てもとても美しく、今でもおもいだせるほどに印象的でした。これを見せられると、もうライセンス取るしかないですよね。そして、グロットの穴をくぐって外海へ、と思いつつ、いまだにその先は経験していません。あれから何本ももぐりました。そろそろサイパン再挑戦をと考えています。